樋口新葉ちゃん 引退
樋口新葉ちゃん引退のニュースがとうとう出てしまいましたね。
それに先立って坂本花織選手引退のニュースが出ましたが、実はその時に「新葉ちゃんも引退するかも」と思っていました。
樋口新葉、オリンピックシーズン限りでの引退表明 新SPは「最後のシーズンにちょうどいい、スケート人生を表現するプログラム」(一部抜粋)
https://deepedgeplus.kyodonews.jp/news/111984/
フィギュアスケート女子で2022年北京冬季オリンピック団体銀メダリストの樋口新葉(ひぐち・わかば)(24)=ノエビア=が27日、来年2月にミラノ・コルティナ冬季オリンピックが控える来季限りで現役を引退すると表明した。
「五輪シーズンまでと決めた方が全力を出し切れる。もう一回五輪で滑りたい」と決意を語った。
横浜市内でのアイスショーで、フランク・シナトラの名曲「マイ・ウェイ」を用いた新ショートプログラム(SP)を披露し「自分のスケート人生を表現するようなプログラム。
最後のシーズン、締めくくりにちょうどいい」と述べた。フリーは映画「ワンダーウーマン」の音楽で滑ることも明らかにした。振付師はSPがジェフリー・バトルさん、フリーがシェイリン・ボーンさん。
SP∶マイ・ウェイ(ジェフリー・バトル)
FS∶映画ワンダーウーマン(シェイリン・ボーン)
樋口新葉が世界選手権で得た充実感「今までとは全然感覚が違った」 自分を大事にして臨む、3度目の五輪シーズン(一部抜粋)
https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/2025061300001-spnavi?p=2
親友・坂本花織と福岡旅行に行ってきたという
――世界国別対抗戦が終わった後のミックスゾーンで、坂本花織選手が「オフに樋口選手と国内旅行に行きたい」と言っていました。
先週、福岡に行ってきました。1泊しかできなかったんですけど、「何とか予定を合わせよう」って。本当に時間がなかったので、とりあえず食べたいものを食べて、行きたいところに行って、あとはもうほとんど部屋で話したり寝たり、自分たちを癒す時間に使いました。
普段あまり会えないですし、本当にずーっと話していてそれでも足りないぐらい。連絡をとったりもするんですけど、やっぱり会って話す方がいいですし。今までのこと、これからのこともたくさん話したりして、お互いに「うまくいくといいね」って。
もしかしたらこの福岡旅行で互いに引退を決めたのかもしれないですね。
かおちゃんと出会ったのは小学生くらいだったんですけど、ここまでいろいろな話ができるようになったのは、シニアに上がってからです。それまでは家も遠いし話す機会はなかったのですが、試合に一緒に行く機会が増えたり合宿があったりして、すごく話すようになりました。
過去にいろいろあって、(自分は)周りの人をあまり信用できない感じがありました。でもかおちゃんとは、ちょっとずつ話していく中で「この人は大丈夫だ」って、自分も心が開けるようになって。それからは勉強になる話もできるようになったので、すごく大事な友達です。
私の勝手な想像ですが、かおちゃんと仲良くなったのは北京五輪の時ではないかなと勝手に思っています。北京五輪当時から新葉ちゃんの表情が明らかに変化したように私は感じていました。
――今、トリプルアクセルに取り組む必要は感じていますか?
自分がやりたいか・やりたくないか、満足度というか納得感の問題だと思うので、本当にそこだけかなと思っちゃいますね。練習も今はしていないです。
試合でトリプルアクセルが跳べるまでは、そこにこだわり続けていました。でも、やっても勝てなかった部分もあったし、やってできたという事実を作って満足した自分もいました。
確かにかおちゃんもトリプルアクセルなしで世界を取っているので「必須ではない」と感じます。
やっぱり自分の気持ちを大事にして、どういうふうに滑り終わりたいかと思ったときに、トリプルアクセルが必要なのか・必要じゃないのか。
演技を綺麗にまとめたらそれだけ点数が出ますし、トリプルアクセルが自分の負担になってしまうなら、勝つためにもない方がいいのかなと。それも一つの戦略なのかなと思います。
もしトリプルアクセルを飛ぶために振り付けが制限されてしまうのなら、あれだけの表現力を持つ新葉ちゃんの貴重な表現が制限されてしまうのなら、トリプルアクセルは必ずしも必要でないかもしれないですね。
――ご自分の納得感を大事にしている感じがします。
実際大事ではあるんですけど、今までは順位や点数にこだわっていました。それで全然自分のことを受け入れられないというか、結果を見て「自分がやってきたことはダメだったんだな」と思うことの方が多くて。
でも、「そうじゃないのかもしれないな」と気づきました。別にやってきたことが間違っていたわけじゃないけど、ただただ結果が出なかっただけというか。
それよりも自分が満足して納得して滑り終わった上で結果はついてくるもの、という意識をすごく強く持つようになりました。
何年か前のプログラム「007スカイフォール」のような作品と演技ができれば、
そしてそれをオリンピックという舞台で新葉ちゃんの表現力や魅力が最大限に披露できれば、採点以上の価値ある観客の反応があるかもしれません。
私にとって、大ちゃん(かなだい)のソーラン節をオリンピックで披露できなかった時の悔しい気持ちが、新葉ちゃんが「スカイフォール」を平昌五輪で世界に披露できなかった悔しい気持ちに相当します。
大ちゃんや新葉ちゃんの演技は、もしかしたらジャッジの採点が芸術点に再注目するきっかけとなったり、今は高難度ジャンプにしか目が行かない世の中の目を芸術に向かせる魅力があると思います。
せっかく競技をやっているのに、ただ結果だけを気にするよりは、やっぱり自分の気持ち、「どういうふうに滑りたいか」を大事にして滑った方が、これからにつながるなと思っています。
スケートが競技人生だけですべて終わりだったら結果だけ見ればいいと思うんですけど、「そうじゃない」と思い始めたので。
つまり新葉ちゃんにとって「スケートは競技人生だけで終わらない」ということ。
大ちゃんの滑走屋の先に目指すもの、つまり競技人生を終えた後の新しいスケーターとしてのキャリアや人生を見据えているということ。
――休養中に視野が広がったことも大きいのでしょうか。
そうですね。休養している時はスケートをちょっと離れて、学校に通ったり、スケート競技に関係がない人と話をしたりしていました。本当にいろいろな人と触れ合って、いろいろなことを考える時間があって。そこで「スケートだけに縛られていたな」と感じてしまったんです。
そうじゃなくて「普通に生きているけど、やっぱり大事にしたいものがスケート」というふうに考えが変わったというか。
「スケートを自分の人生の軸にして生きていく」と語っていた大ちゃんの言葉と重なりますね。大ちゃんと新葉ちゃんの行き着いた答えが同じであったという事でしょうか。
そしてかおちゃんもオリンピックイヤーを最後に引退すると発表しました。
かおちゃんの最後のショートとフリーのプログラムは、
SP∶Time To Say Goodbye(ブノワ・リショー)
FS∶愛の讃歌(マリーフランス・デュブレイユ)
フリーの「愛の讃歌」は鈴木明子さんがソチ五輪で滑った曲。当時、あっこちゃんの演技はとても楽しみにして見ていました。
ショートの「Time To Say Goodbye」は大ちゃんがソチ五輪のエキシビションで披露する予定であった曲。
不思議に思ったのは、私の印象ですが表現面よりジャンプを得意とするかおちゃんが、ジャンプよりも表現面に定評のあった鈴木あっこちゃんにかつて憧れていて、あっこちゃんの愛の讃歌を見たときに絶対自分が引退するシーズンにはこの曲を使いたいと決めていたという。
ショートの「Time To Say Goodbye」もやはり「音を可視化する」高橋大輔が引退時に選曲した事が影響しているのかしら?と勝手に想像しています。
そしてそれとは逆に、ジャンプよりも圧倒的に表現面に目を惹く新葉ちゃんがトリプルアクセルの習得に励んだという。
私の中でかおちゃんと新葉ちゃんがずっとフィギュア女子のツートップでしたが、
新葉ちゃんはジャンプの調子の良し悪しにせっかくの表現力が引っ張られて、その才能を出しきれていない印象を受けます。
是非ともミラノ五輪で新葉ちゃんの才能の全てを出し切って欲しいです。
えみりん🎶