昌磨が次のステージへ
とうとう昌磨が引退を発表してしまいました。
大ちゃんの時も感じましたが、やっぱり推しの選手の引退はショックを受けます。
が、ワンピースオンアイスの再演も決まっていますし、昌磨も大ちゃん同様、そこへ突き進む推しの姿は必ずや、そのショックを和らげてくれますし、なんなら喜びとなるに違いありません。
昨年のNHK杯以降、何度か昌磨の記事を書こうとしておりましたが、ここ1年は非常に仕事に家庭に多忙な日々の中、タイミングを失っておりました。
しかし不思議です。
大ちゃんが引退となったタイミングで昌磨が出てきて、昌磨が引退となったタイミングで優真くんが(怪我から復帰して)出てきました。
大ちゃんが引退した時も昌磨がいるから引続き「フィギュアを見ようかな」と思いましたし、優真くんがいるから、引続き「フィギュアを見ようかな」と思えます。
それにしてもシニアに上がって以来、私が昌磨に思う事は彼の信念の強さ。
昌磨の中心には強く貫く純粋な信念があり、ブレないし迷いがない。
達観していて、たぶん私には理解できないところにいるのだと思います。
世間にどう思われるか?なんて関係ない。
以前「天然」とメディアに言われた事がありますが、昌磨の中心に純粋な強い信念があり、普通なら世間の反応を気にして行動する計算が一切ないから世間は意表を突かれて「天然」だと反応するのだと思います。
真凜ちゃんに対する気持ちを隠そうとしないし、隠そうという概念がない。
そして、そういう昌磨の信念の強さは昨年のNHK杯の際にも如実に表れましたね。
当時の昌磨の言葉を、当時の2つのネット記事から取り出してみます。
なぜ宇野昌磨の4回転は“すべて回転不足”がついたのか? 海外記者が元五輪代表から引き出したNHK杯辛口ジャッジの考察(一部抜粋)
https://news.yahoo.co.jp/articles/16b88df35ba6049f84645606d46ab732eb10e531
宇野昌磨、ジャッジに疑問符「すごく厳しかった」「この基準になるなら、ここが僕の限界」【フィギュアNHK杯】(一部抜粋)
https://www.chunichi.co.jp/article/812546
のちに宇野は海外メディアも含んだ取材陣の質問に、
「けっこうきれいかな、と思ったんですけど。(回転不足は)厳しかったなというのは感じます」と本音を吐露。
採点は人がつけるものであり、ケチをつけるつもりはないと前置きしながら、「いま言えることは、今日のジャンプ以上を練習でもできる気がしない」と言い、これ以上のクオリティは不可能だと強調した。
世界王者は優勝した鍵山の演技を心から称賛しつつ、「ジャッジへの批判ではない」と表明しながら、回転不足とされたことへの違和感を報道陣に話した。
さらに、「この基準になるなら、ここが僕の限界で、これ以上僕に先はないなというのを思わされる試合だった」と言葉を続けた。
宇野自身はジャンプだけではなくステップもつなぎなども悪いものとは捉えておらず、ステファン・ランビエルコーチもよい内容だと喜んでいたという。
そう考えたからこそ、「自分の気持ちを言うならば、試合に出るという意味をちょっと揺るがせられような試合だった」と語った後、
「跳んだ4回転全部とられたので、これ(ジャンプ)を改善するのは無理だな、自分にとって厳しいものだったなというのは思いました」とした。
さらに、「どんな風に方向性をしたいのかというのは興味で聞いてみたい気はします」と語った宇野。
今大会のジャッジは厳しめだったが、胸の中に思っていることは多かったようで、「一夜明けて何か思っていることがあれば、何かしゃべりたいと思います」と語って対応を締めくくった。
これらの昌磨の言動に、私は昌磨の歳の倍以上の人生を歩んできた初老のおばちゃんですが、本当に感心しておりました。
フィギュアにおいて、ベテランの選手に点が出なくなり、同時に若手に点が出やすくなるのは今に始まった事ではなく、過去から今に至るまで、複数のベテラン選手が味わってきましたよね。
ただ私が他の過去のベテラン選手と「昌磨は違うな」と感じたのは、それに対する対応です。
大ちゃんや真央ちゃんや他のかつてのベテラン選手たちは疑問を感じながらも、悔しい思いを飲み込んでジャッジを受け入れていましたし、異色だった羽生くんは大学の卒論でジャッジに反論していました。
しかし昌磨は、黙る訳でもなく、かと言って真っ向から反論する事もしませんでした。
採点は人がつけるものであり、ケチをつけるつもりもなく、ジャッジへの批判ではないが、
今のジャンプ以上のものを練習でもできる気がしないし、これ以上のクオリティは自分には不可能であり、今後これが採点の基準になるならここが僕の限界で、これ以上自分に先はない。
ジャンプだけではなくステップやつなぎなども悪いものではなかったからこそ、試合に出る意味を揺るがす試合だった。
この時にまず、鍵山優真くんの演技を称賛する事を昌磨は忘れていませんでしたね。
さすがだな、と思います。
そしてジャッジの判断を一旦受け入れている事がコメントから伺えます。
採点競技の採点方法が見直される事は度々ある事であり、「方向性を聞いてみたい」と言ってるあたりからも伺えます。
ジャッジの判断を受け入れた上で考えた時に「この基準になるならここが自分の限界で、これ以上自分に先はない」と語り、本当に潔い。
こういうところに昌磨の凄さを感じます。
自分が挑む競技の特異性や矛盾を十分に冷静に理解していますよね。
信念と正義を無自覚に貫く人というのは、自然と一貫性を保ち、中核を見抜く素質が備わっていると感じます。
フィギュアスケートというのは以前からベテランとなった選手に急に厳しい採点をすると同時に若手に採点が良くなり、世代交代を行ってきている事も理解していて、自分もそういう時期なのだと冷静に分析しているのかな?とか、
誰しも若手からベテランになっていくので、その両方を経験するという事かもしれませんが、昌磨自身もシニアに上がった当時、当たり前に良い採点をもらったという若手の時期を通ってきているからこそ、
ベテランに対する厳しいジャッジを受け入れる覚悟が、もしかしたらシニアに上がった当時からできていたのかも知れないな、とかね…。
次回につづく…
えみりん🎶