滑走屋とエバラス
以前から大ちゃんの氷爆や滑走屋と、真央ちゃんのBEYONDやエバラスをなんとなく漠然と比較していた私ですが、
フレンズオンアイスを前に行われた、荒川さん、大ちゃん、真央ちゃんの鼎談を読んで、今回、改めて考えてみました。
今や御三方ともショーの演出も担うプロデューサーであり、スケーターであり…。
荒川さんのフレンズオンアイスはいわゆる従来のアイスショーだと思いますが、フィギュアの人気を牽引してきた4人(大ちゃん、真央ちゃん、昌磨、羽生くん)のスター選手が引退した今、それぞれのアイスショーを展開していますね。
荒川静香・高橋大輔・浅田真央「奇跡」の共演。「うっそ〜!と思いました」(一部抜粋)
https://news.yahoo.co.jp/articles/d8fafd9907d2d42279431c61031a1d8e6933a4ae
年間100公演以上のツアーも…
浅田真央さんは、引退後に行った「浅田真央サンクスツアー」は18年5月から21年4月までのべ3年かけて全国50か所202公演、その後の「BEYOND」は1年で全国25か所103公演。オーディションで選んだスケーターたちと専属チームを組み、日本全国を回る、前代未聞といえるアイスショーのツアーを座長として敢行してきた。
荒川「その回数はもちろん、全国をツアーで回るアイスショーを持てるというのは、特別なことだと思いますし、スケーターとしてうらやましい限りです。
アイスショーのツアーを実現するために必要なもの。
私の頭に浮かぶのは、やっぱり真央ちゃんの安定した人気と低価格に設定した料金(サンクス・BEYOND)なのではないかと思います。
それからもう1つ不可欠なのは、スケーターが現役選手ではない事ではないかと。
試合と同時進行でショーのツアーに参加するのは無理がありますよね。
荒川「しかも座長として、すばらしいショーをひっぱり、真央ちゃん自身の進化がとまらない。この間の『エバラス』に伺った時も、本当にびっくりしました。今回『フレンズ』で真央ちゃんに声をかけたはいいけど、一緒にすべって大丈夫だろうかと……」
真央「いやいやいや」
高橋「その気持ちわかります。本当に真央はすごいんですよ。エネルギッシュで。『エバラス』もすごい刺激だったけど、
僕は現役復帰してアメリカ行ったりしていたので、真央のショーを直接見られなかった時期が長かったんですね、だから『BEYOND』に行った時、すごい引き出し増えたなって驚いたんです。
表現の幅がものすごく広がって、びっくりしたうえ、いったい、真央は何分すべるんだ?ってぐらい、出番が多いことにまた驚いて(笑)。
ずっとエネルギッシュに滑っている姿が本当すごくて。
僕は真央を戦友だと思っていると同時に、ライバルだと思っているので、真央はこんなショーを作っているのか、と非常に刺激になります」
僕は真央を戦友であり、ライバルだと思っている
私も大ちゃんファンの端くれですから、非常におこがましくも、真央ちゃんのアイスショーはつい密かに気になっておりました。
サンクスツアーまでは大ちゃんのショーと比較する事はありませんでしたが、実はBEYONDからショーのクオリティの高さに嫉妬のようなものを感じるようになりました。
滑走屋・氷瀑とBEYOND・エバラスに甲乙をつけようという訳ではなく、BEYONDやエバラスの、従来のショーと違う目新しさや美しさ、従来にはないアイデアが形になっていたり。
例えばグループナンバーを例にとっても「グループナンバー」の括りというよりは、全体で1つのものを魅せるような、グループナンバーとは概念の違う別物に私には感じられたり、
「Everlasting33」の舞台の奥行と立体感がすごい
そして、話は真央さんが6月に行った「Everlasting33(以下、エバラス)」の具体的な話へ。スケートリンクではなく、劇場の舞台に氷を張って、客席に張り出した部分も作り、生オーケストラがその下の部分にはいった、これまでになかった劇場型アイスショーだ。そこで真央さんはスケートのみならず、タップダンスやエアリアルも披露した。
高橋「氷艶が終わった翌日に村元哉中ちゃんと行きましたが、刺激を受けまくりでした。舞台のあの奥行のある感じがすごい。実際は舞台に作ったリンク狭いよね?」
浅田「うん。船橋のサブリンクより狭い」
高橋「それなのに見せ方で広いのか狭いのかわからない錯覚みたいな感じがあって、本当おもしろかった」
荒川「しつらえた舞台のリンクをいっぱいに使ってたよね」
浅田「最初はみんななかなか客席に張り出したほうに行かれず、スペースをつい狭く使ってしまって、スケートの良さが出なかった」
高橋「落ちたら怖いからね」
荒川「怖いと端のほうまで行かれないんだよね」
浅田「そうですね。最初はステージの端っこの方に、怖くていかれなかったですね。
下にオーケストラの方もいらっしゃるし、客席もあるから落ちたら事故になるし。何回も何回もやりなおし、もっとこっちだよ、あっちだよって指示しながら練習して。舞台の使い方にはすごく苦労しました」
荒川「でも窮屈さを全く感じなかった。いっぱいいっぱいに空間を見せてて」
高橋「奥行きの立体感って普段のリンクで感じることないから、本当に新鮮だった。劇場の舞台で、スケートの躍動感と迫力を見せてたよね」
浅田「ひやひやでしたね。やるまでは。この場所でやるっていったものの、氷もステージ上だけでは狭いし、張り出しにしたとて、通常のサブリンクより狭いわけで。できるのかなって思って、実は賭けみたいなものでした」
「エバラス」では地上5メートルの高さで命綱をつけずに行ったエアリアルも話題になった。浅田さんは何ヵ月も練習に通っていたそう。
浅田「あれは、表現の一つとしてみてもらいたかった。『エバラス』ではいろいろな新しい挑戦ができたので、悔いはないです」
真央ちゃんのプロデューサーとしてのアイデアの斬新さだとか、観客目線で観客席から観たショーを仕上げる勘の良さだとか。
それからショー開催に向けての貫く自分のこだわりの強さだとか、スケーターをまとめる力だとか。
回を重ねる毎にパワーアップしていて、細部までのこだわりとアイデアがいっぱい詰まっていて、それを確実に堅実に実現し、高い芸術性を感じます。
きっと真央ちゃんも、大ちゃんと同様に「この人のためになら頑張ろう」と周囲に思わせる人柄や求心力があるのだろうと思います。
3人のレジェンド荒川静香、高橋大輔、浅田真央が「奇跡の共演」の中身を語る(一部抜粋)
https://gendai.media/articles/-/134438?page=1&imp=0
「フレンズオンアイス」の醍醐味・個性的なグループナンバー
「フレンズ」の醍醐味は、国内外の名スケーターによる個性的なグループナンバーが多いこと。初参加の真央さんが、みなでグループナンバーを作り上げていくことが体験できるのが楽しみだと期待すれば、「短い期間だから不安になるかも(笑)」と荒川さん。
フレンズに出演するスケーターは多忙なメンバーが多く国内外から集まるので、直前の数日で合わせるという。公開リハーサルから、本番への調整まで「みんな集中力があるから何とかなる!」と荒川さんと高橋さんが経験を真央さんに説明していく。
フレンズオンアイスは引退したスケーターが多くても、海外のスケーターも出演するからスケジュールが大変なんですね。
まあでも、真央ちゃんもかつてはTHE ICEの座長として出演していたのだから、短期間での準備には慣れてはいるとは思いますが…。
近年の真央さんの公演は、専属チームを組んで長い期間準備をして作っていくスタイルなので、お互いそれぞれのやり方に興味津々のようだ。
真央ちゃんのショーのクオリティの高さは、準備期間を充分に取っているというところが大きいのではないかと思います。
「準備期間を充分に取れる」というのはつまり、やっぱり出演するスケーターが皆、引退した日本のスケーターであるからではないかと思います。
それに対して滑走屋は、多くが現役選手であり、試合に練習トレーニング等ハードなスケジュールを考えると、準備期間を長く取る事は難しい。
でも、それはまず大ちゃんには「スケーターの引退後の道筋を作りたい」という大きな狙いが中心に大前提にあるので、滑走屋には現役選手が必然なのではないかと。
真央ちゃんの方は引退したスケーターで構成され、大ちゃんの方は現役のスケーター。
私の勝手な想像ですが、引退したスケーターと現役のスケーターの違いは?と言ったら「若さ」かなと。
だから大ちゃんは「若さ」の強みである「スピード感」に着目した滑走屋だったのかな?とかね。
アイスショーのツアーを実現するにも、準備期間をたくさん取るにも、やっぱり「引退した日本のスケーター」で構成する事が要になるのではないでしょうか。
「やってみたいアイスショーは?」という質問に大ちゃんが「いろいろな考えがある中で一つは最近習っていることが関係している」と言っていたようですね。
それはつまり、アクロバットのバックフリップの事でしょうかね…。
真央ちゃんがタップダンスやエアリアルに挑戦し、大ちゃんがアクロバットに挑戦。
だいまおの飽くなき挑戦。
真央は戦友であり、ライバルだと言う大ちゃんですが、2人には「切磋琢磨」という言葉がぴったりとはまりますね。
えみりん🎶