アイスダンスに誘った理由
北京オリンピックが始まっています。
昌磨について、新葉ちゃんについて、団体戦について、いろいろ記事にしたい事はありますが、今日は四大陸の件を。
四大陸の後にネットに流れた下の記事。
かぶりつきましたね。
【独占】村元哉中&高橋大輔が銀メダルに手ごたえ 「やっと、やっていることと気持ちが一緒に」〈AERA〉(一部抜粋)
https://news.yahoo.co.jp/articles/154dd47e78cee6325522bdc2076fb9a3711de723
四大陸選手権のアイスダンスで、村元哉中、高橋大輔組が快挙を果たした。同種目で日本勢過去最高の2位。まだ結成2季目の2人が思いを明かした。AERA 2022年2月7日号の記事を紹介する。
──わずか2年でこの結果を出せた理由は何だと思いますか?
高橋:哉中ちゃんはシングル時代から表現力があり、アイスダンスで開花した。もっと経験値のあるダンサーと組めばトップにいけると思う。僕と組んでどう評価されるかは僕次第だと感じていました。他の組はリフトのおろし方とかスピンとかが本当にうまい。でも僕自身、昨季に比べれば考えずにできるようになったので、そこが評価につながったのかと思います。
もっと経験値のあるダンサーと組めばトップにいけると思う。
でもどれだけ経験しても練習しても手に入らないもの(ダンスとスケートの才能)を大ちゃんは生まれながらにして、この世に生まれた瞬間から持っているから、哉中ちゃんは大ちゃんと一緒にダンスがしたかったんだと思います。
■パッと切り替えられた
──北京冬季五輪代表を逃したのは残念でした。
高橋:目標を達成できなかったのは悔しいですが、四大陸や世界選手権の代表をいただき、見せられる場所があるので、意外にパッと切り替えられました。
村元:大ちゃんをアイスダンスに誘ったのは、彼のスケートの感覚、世界観を体験したいというのが大きな理由でした。その過程で一つ大きな目標があったほうが頑張れるので、五輪を頭に入れました。簡単ではないとわかっていたけど、四大陸と世界選手権の代表をいただいて(勝てなかったことに)意味があるかなと。ただ、(昨年末の)全日本選手権でベストな演技ができなかった悔しさは強いです。
四大陸と世界選手権の代表をいただいて(勝てなかったことに)意味があるかなと。
本当にそうだと思います。
かなだいじゃなきゃ、2枠を取る事はできないと思う。日本のアイスダンスの未来のために、かなだいが四大陸と世界選手権へ送られたのだと。
そして私が1番かぶりついた言葉は哉中ちゃんの言葉。
「大ちゃんをアイスダンスに誘ったのは、彼のスケートの感覚、世界観を体験したいというのが大きな理由でした」
以前から、哉中ちゃんの「大ちゃんの世界を一緒に体験したい」という言葉にかぶりついてきた私ですが、最初にその話を聞いた時から私にとって、それはアイスダンス転向という一連の出来事の中で1番、最高にエキサイティングな言葉であり、出来事でありました。
そして、それこそが、哉中ちゃんが大ちゃんをアイスダンスに誘った理由として、「五輪よりも大きな理由」だったという事が、また、私にとって非常に納得のいく、百万回うなずきたくなるような言葉でありました。
以前から何度か記事に書いていますが、私がいちばん最初に大ちゃんの演技を観た時の衝撃。何度でも観たくなる大ちゃんの世界。
その世界に哉中ちゃんは実際に入り込んで、当の本人の大ちゃんと一緒に楽しんで、その世界の一部になることができる。
それが本当に心の底から羨ましい。
でもそれは誰でも成せる事ではなくて、
経験と才能の両方を持ち合わせていないと出来ない。
哉中ちゃんはまさにその両方を持ち合わせているという事。
二人(ユニゾン)でないと出せない世界、
一人でないと出せない世界。
大ちゃんには時々は一人でプログラムを滑って魅せて欲しいですね。
「今なら」という気持ちが強いのはphoenixだし、PGG、ビートルズメドレーも…。
──結成の目的は五輪ではなかったということですね。
高橋:誘ってもらったときに、(彼女に)五輪とかじゃなく、ただ一緒にやってみたいと言われました。五輪に絶対行きたいと言われていたら、無理と断っていたかもしれない。だから一番の目標ではなかったんです。
村元:アイスダンスというすてきなスポーツを知ってほしい、大ちゃんとならすごいものが作れるんじゃないかなというのがありました。
「誘ってもらったときに、(彼女に)五輪とかじゃなく、ただ一緒にやってみたいと言われました。」
まあ、なんと!
これ1番嬉しいやつではありませんか?
■四大陸で心が燃えた
──失敗の原因は精神的なものでしょうか?
村元:自信はついてきているんですけど、試合になるとちょっと弱気になるというか……。
高橋:カップル競技はお互いのテンションが一緒じゃないとうまくいかない。そこが合わなくてもできるのが経験値、長年積んできたものかなと思います。
「四大陸で心が燃えた」
良い言葉ですね。
全日本と四大陸で目に見えて分かる(私にも分かる)ミスが2つありましたが、これがシングルであればミスにならなかったと思います。
それがアイスダンスの難しいところなんでしょうか。
──マリーナ・ズエワ・コーチは、アイスダンスは毎回同じように滑らないといけない、と言っていましたね。
高橋:同じようにしているつもりなのに、タイミングが早くなったり遅くなったりするんです。
村元:私もそれはあります。
高橋:お互いありますね。一緒にアップをするんですけど、カウントを任せるとすごく速いことがある。同じ10秒でも、もう10秒?(笑)ということも。そこを阿吽(あうん)の呼吸で感じあえるようになれば、演技がもっと良くなると思います。
──現在位置には満足ですか?
高橋:2年前の僕からすると満足以上です。
村元:コロナが始まったり、けがで練習もできなかったりといろんな状況があった中、それを踏まえてすごいことを成し遂げているなと改めて感じています。
(構成/ライター・田村明子) ※インタビューの続きは発売中のAERA 2月7日号に掲載
「やっと、やっていることと気持ちが一緒になった」と語っている大ちゃん。
そして「悔しがる自分に驚いている」とも言っていましたね。
やっと練習している事が身についてきた、それが結果に表れてきた、という事もあるのでしょうが、復帰後のシングル2シーズン、国際試合に出ようとしなかった大ちゃんが、やっと現役の選手として「世界で闘う覚悟」や闘志がおのずと沸き上がるのを感じられて何よりも嬉しいんじゃないかな?と勝手に妄想しております。
思い出します。小宮さんの言葉。
「純粋な野心がなければ彼は決して動かない」
えみりん🎵